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ぼくの愛器、和洋ふたつのウクレレ

ウクレレ生活

ウクレレは、数千円の安いものから三桁万円の高価なビンテージものまで、中国製、国産、ハワイ製、その他の国製など、世の中には選ぶのが困るほどバリエーション豊かに製品が売られています。ウクレレにはまると、楽器としては小さいから収納しやすいという要因もあり、いつのまにかその数が増えてしまうという現象が起こります。そうウクレレは種類が多すぎて、けっこう選ぶのが大変であり、その大変さが楽しみにもなっている、という不思議な楽器なのです。ぼくも過去10数年間の間に、いくつものウクレレと出会い、そして別れを体験しています。リサイクルで売ったり、孫にプレゼントしたり、楽器断捨離の結果、現在は、ふたつしか所有しておりません。

そんな経歴のぼくが初心者におすすめるウクレレについて思うところを書いてみますね。

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初心者におすすめのウクレレは?

これまで楽器を弾いたことがないけど、ウクレレなら弾けそうだ、という感じで取り組もうとする初心者であれば、長続きするかどうかわからないので、安物で十分かと思います。ただし、楽器としてのクオリティを持っていなければ話になりません。おもちゃと楽器の分岐点は、おそらく1万円ぐらいからでしょう。いくら安いからと言って、数千円のものは、音は出るにしても、弾いていて、気持ちよくありません。初心者であればあるほど、音そのものの質は重要です。初心者はまず、演奏なんて出来ませんから、ペロンと弾くだけで、音だけを楽しむという要素があるのです。チープな音は、必ず、飽きが来ますので、興味を長続きさせることができません。ですから、最低でも1万円以上。予算に多少の余裕があれば、5万円以内のものであれば、まぁまぁ、飽きずに長続きして、万一飽きたとしても、ディスプレイとして満足できるでしょう。

それと、ウクレレのサイズですが、本人が何を弾きたいかというその指向性によって変わってきます。弾きたいと思ったからには、何らかの原因があったはずで、そのきっかけとなった演奏のスタイルと同じサイズのウクレレを選ぶのが無難です。一般的に、ウクレレの音色は、小さなソプラノタイプをイメージする方が多いでしょう。軽やかなハワイアンな感じで、歌いながら踊りながら弾いても絵になります。それよりちょっと大きいのがコンサートタイプ。このタイプは、ぼくが一番好きな大きさです。ギター経験のあるぼくは、ソロ演奏もしたいのですが、ソプラノタイプだと少しだけ弾くのが不自由なんです。ハイフレットという高音域を弾くときも、コンサートのほうが音程が安定しています。それでいて、ウクレレらしい音色も奏でてくれる。ぼくの愛器は、ふたつともコンサートサイズの長さです。で、もうひとまわり大きいテナーサイズのウクレレがあります。こちらはもっとソロ演奏向き。ジェイク・シマブクロさんが弾いているのがこのサイズ。日本人のプロウクレレプレイヤーたちも、ほとんどがテナーサイズを使っています。これは弾きやすいことは弾きやすいのですが、ギターを弾いている立場からすると、音色がどんどんギターに近づいていて、音の伸び=サスティンも気持ち良いのですが、それならギターを弾けばいいじゃん、という気持ちになってしまうのです。

で、なんだかんだ書きましたが、結論としては、楽器の初心者であれば、ソプラノサイズ。ほかの楽器を弾いたことがあるよ、という方なら、コンサートサイズがおすすめです。好きなプレイヤーがテナーサイズを使っていたとしても、それは、2本目のウクレレとして選ぶ楽しみをとっておきましょう。

ぼくのウクレレ遍歴

ちなみにぼくは過去にコンサートサイズを3本所有して、手放しました。始めの1本はマウイミュージック。もう1本は国産のTsウクレレです。どちらも、素晴らしい楽器でした、けれど、しっくり来なくなったんです。それからカマカのコンサート。これも重い音がして、良かった。けっこう付き合ったけれど、手放してしまった。まぁ、いい楽器だったので、購入価格とそれほど変わらない値段で売れましたけれど。ソプラノサイズは、最初は中国製の安物でしたが音がチープで音程も安定せず、あまり弾かずに放置。それからドイツ製のものやギターで有名なマーチン、中国製のやや高いものや孫のために購入した国産のリーズナブルなものとあれれ浮気しながら、最終的にたどり着いたのが、次の2本です。手元にはもう、これだけしかありません。もう、ウクレレは買いません。おそらく、たぶん、いや、きっと…。

★愛器その1   Kelii ケリー ソプラノロングネックS-GLN  ハワイアンコア 単板

ハワイ製のウクレレは、カマカのコンサートを持っていましたが、それは柔らかな音色で良かったのですが、ケリーのこの1本に出会ったら、ひと耳惚れ。ソプラノのボディにコンサートのネックという仕様は、ぼくにとっては理想的なバランスです。コロコロとしたウクレレらしい音色と弾きやすさがドッキング。またケリーのネックは、細いため、よけいに演奏しやすいんです。価格はカマカの半分ほどでしたが、コストパフォーマンスが非常に高い。こちらの1本がウクレレのマイ・ベストです。あまりにも気に入りすぎて、木製のピックガードを自分でつけてしまいました。

★愛器その2   Seilen セイレン コンサートSLC-182vm/RT  ヴィンテージホンジュラスマホガニー(ラウンドトップ)

長野県在住の作家、高橋信治氏による世界で一本の手工品。松本市の楽器屋さんで買う気がなかったのに、試奏してしまったのが運のつき。なめらかな音色が素晴らしい。それとピッチが安定しており、ソロ・ウクレレには最適な楽器です。ただ、その分、ウクレレらしい可愛さは損なわれていますね。成熟した美しさといいましょうか。美人は3日で飽きると言われますが…いまのところまだ大丈夫です。ぼくの演奏スタイルでは、単音弾きでソロのときはSeilen、コード弾きで歌うときはKelii。2本の差別化がしっかりできています。

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