趣味と聞かれて、長年、ギターと釣りと答えてきた。
ギターは中学生の頃にはまって、高校生くらいまでクラシックを独学でやった。
長いブランクがあって45歳過ぎてから、再び復活して、時々、古い楽譜を出したり、友達が来たら歌の伴奏をしたりとたしなんでいる。
釣りは、20代後半から、はまって、堤防釣り、磯釣り、船釣り、鮎釣り、へら鮒釣り、ワカサギ釣り、ルアー、フライ、テンカラと変遷し、まぁ渓流釣りをメインにしてはいるが、最近は年に2回程度渓流でテンカラをやるくらい。
熱狂的な釣りへの情熱はさめてしまった。
50歳頃、ふと楽器店でウクレレを手にしたときから、なんか、はまってしまった。
当時はジェイクシマブクロや天才ウクレレ少女の登場、日本人でも優れたウクレレソロプレイヤーが出始めて、これまでのハワイアンの伴奏楽器のイメージから大きく変化しつつあった。
45歳から復帰したギターにしても、ソロギターの調べシリーズがお気に入りだったから、そのウクレレ版というのは魅力に感じた。
オータサンというウクレレジャズプレーヤーの大御所の演奏もなんともチャーミングで、YouTubeでその姿を見て大いに触発された。ウクレレって、いいな。
それにしても、なぜ、いま、ウクレレが注目されて、ブームになりつつあるのか。
ギターから転向する人も多いと思うが、その理由をぼくなりに考えてみた。
第1に、お手軽 持ち運びしやすい
ぼくは、ポピュラーなスタンダードタイプではなく、ひとまわり大きいコンサートサイズを愛用しているけれど、椅子に座ったまま、小脇にかかえて、すぐに演奏できる。
このサイズ感が素晴らしい。ギターのように足を組んだり、周囲を気にして構える必要がない。
どこに置いても邪魔にならないから、壁掛けにすることだって簡単。
暮らしの中に、するりと入ってくる楽器なのだ。
よく音楽とともにある生活っていうけれど、それをカタチにしてくれそうな期待を持たせてくれる。
暮らしに溶け込む楽器って、ありそうで、なかなか、ないんだ。
ソプラノサイズは、いかにもウクレレらしい軽快な音色だから、歌の伴奏にはいいが、5フレット以上を多用するソロウクレレにはちょっと向かない。
テナーサイズは、よりギターに近い音がするから、ウクレレらしさが損なわれるように感じる。
だから、ぼくはコンサートサイズが今のところベストチョイスだ。
第2に、お気楽 ゆる~く楽しめる
これは演奏性のことだけれど、気軽に抱えて、ただポロポロと頭に浮かんだメロディーをつまびくという、ゆるい感じが楽しい。
ギターを構えたときは、6弦もあるので、主旋律だけを弾いても片手落ちな感じがする。
それでベース音を考えたりすると、ややこしくなる。
それで、疲れる、諦める。
つま弾くというよりも、楽譜を開いて、きっちり弾かなければというところがある。
それはそれで楽しいのだけれど、ちょっと気軽にという感じからはどんどん遠ざかってしまう。
ところがウクレレは、メロディーを親指で弾くだけでも気持ちいい。
さらに時々、コードを加えると、それだけで、サマになってしまう。
ベース音を気にしなくていいのがこんなに気楽なのか。
これはソロギターの楽譜を弾いたことのある人であれば、わかってくれるのではないか。
左手の動きも狭い範囲ですむし、右手は、親指だけでサマになってしまう。
親指でメロディーを弾いて、たまに人差し指でコードを入れる。
そんなプレイスタイルができるから、基本的に省エネなのである。
第3に、お手頃 買いやすい価格
これはギターと比較してのことだけど、ハワイ生まれの高級ブランドのウクレレだって、10万円ちょっとで手に入る。
ギターであれば、USAのアコギでちょっとまともなものは、上を見ればきりがないけれど、最低40万円はするだろう。
ウクレレは、おそらく25万円も出せば、海外製でも高級なランクになるし、日本人製作家の手工品の高級楽器だって選択肢に入ってくる。
逆に、アコギで25万円というのは、中途半端な価格で、手工品は無理で、量産楽器の中級の価格帯。
10万以下の中国製とは違うけれど、運が良ければ中古でいい楽器を探せる価格帯だ。
弾いたとたんに、素晴らしい音というのは50万円くらいからが相場だ。
さらに、ウクレレの場合、最近は1万円前後の中華製ウクレレの品質があがっており、それを発掘するというマニアックな楽しみ方もある。
いわゆる安物買いのウクレレ・コレクターっていう方は、けっこういるように思う。
ストックしやすい大きさも、その傾向に拍車をかけているだろう。
つまり、ウクレレには、ギターをやってきた人間でも、はまる要素がたくさんあるのだ。
歌を歌うための伴奏楽器としての入り口から入る人も多いだろう。
弦を押さえやすいから、ギターのようにセーハの壁もなく、初心者の挫折率はきっと少ないだろう。
お手軽、お気楽、お手頃の三拍子そろったウクレレは、これからもっと流行るかもしれないね。
それで、ギター演奏経験者である私は、いくつかのソロウクレレ楽譜を手にして、練習に励んだのであった。
それを次のコンテンツで紹介してみようと思う。