格安シム(SIM)というのは、なんか、ネーミングがあやしい。SIMというのは、スマホの中に入ってるあのSIMカードのこと。それを安く売りつけている業者がいるのか、と当初は思った。秋葉原の裏道で「社長さん、ちょっとちょっと、いいカードがあるんだけど…」とすり寄ってきた男が無印のSIMカードを売りつけようとするイメージ。少し調べてみると、どうやらスマホの月額料金を安く抑えることができるサービスだということがわかってきた。格安SIMは、悪意を感じるネーミングだ。なぜ、格安スマホ通信サービスと呼ばないのだろうか。格安SIMとは、これまでの大手キャリアと呼ばれるドコモややau、ソフトバンクに対抗して、新しくお役所から認可されたケータイ会社のサービス。ただ違うのは、この新しいケータイ会社たちは自前の通信設備を持っていない。大手キャリアが持つ通信設備を借りて、通信サービスだけを提供しているから、設備の維持メンテナンス経費がかからず、その分、安い通信料を設定できるという仕組み。
この格安SIMを提供するケータイ会社のことを正確に言うと「仮想移動体通信事業者 Mobile Virtual Network Operator, 略して、MVNO」と呼ぶ。ますます、わかりにくくなったでしょ。でも、おじさんとしては、この歴史を押さえておきたいところ。日本でのMVNO第1号は、2001年の日本通信 b-mobile(ビーモバイル)だそうだ。そして2016年12月時点で、600社以上がMVNOに参入している。えっ、格安SIMって、そんなにあるの! と驚いた。でも、一般の人が利用できるものは、それほど多くはなく、約30社ぐらいでユーザ獲得の格安SIM競争を繰り広げている。全ユーザ数は、2017年9月で1600万人を突破。
いま、この競争でぶっちぎりで抜きん出てきたのが、auを運営するKDDIグループの「UQモバイル」とソフトバンクの「ワイモバイル」。深キョンと多部未華子、桐谷美玲と斉藤工、どちらも人気タレントを利用したCM展開を莫大なメディア予算を投じて繰り広げている。おじさんとしては、これに踊らされることなく、冷静に格安スマホ(SIM)について考えてみたい。続きは次回。