もう、ほんとうに悩みました。あまりにも格安SIMの会社が多くて、それぞれに勝手なプランをつくっていて、頭がぐるぐるになります。でも、格安SIMとか格安スマホでヒットする、いろいろな情報に振り回されてはいけません。わたしのような、おじさんたちは、何を基準に選べばいいのでしょうか。自分のスマホの使い方をあらためて整理して考えてみると、いくつかのポイントがクローズアップされてきました。そして、そのポイントを重視して選べば、選択肢は意外と少ないことにも気づきました。
第一のポイント おじさんは通話を重視
格安SIMの比較サイトで大きく取り上げられているのは、おもにデータ通信のことなんですね。通信スピードがどれだけ速いか。データ容量がどれだけ大きいか。でも、これって、おじさんやおばさん、中高年にはほとんど関係ないです。ゲームをやるわけではないし、YouTubeをスマホでみるわけないし、WEBサイトだってあんな小さな画面で見たくないし、スマホで便利なのは家族とのLineくらい。そんな人が多数派ではないでしょうか。
中高年にとって本来はガラケーで十分なんです。でも、もはやガラケーがなくて、それで、まぁ、流行のスマホとやらに変えてみようか、と。でも、スマホにした途端に、利用料金が高くなった。どうしよう。格安SIMというのも、なんだか分からないし…。そうそう、この基本に立ち返ってみましょう。おじさんおばさんが、スマホに求める機能のいちばんは通話です。
第二のポイント だれに電話するのか
仕事が現役のおじさんは、会社関係の方とのやりとりで通話を多用します。大手キャリアの 場合、カケホーダイプランに入ってれば、通話時間は気になりません。でも、考えてみてください。仕事の電話でそれほど長電話をすることがあるでしょうか。込み入った話は、事務所電話で話すのではないでしょうか。
携帯電話のシーンを思い浮かべてください。5分以内ですか?10分以内ですか?私の場合は、10分以内でほとんどの用件が済むと判断しました。お得意先やお客様相手だと、丁寧な対応をしていると、5分間はすぐに経過してしまいます。10分あれば、まぁ、いいかな。
次に考えるのは長電話。長電話するとしたら、だれに対しての電話でしょうか。私の場合、家族に対してです。大学生の息子やひとり暮らしの娘、出張先から妻への電話などは長くなる傾向にあります。気づいたら30分なんてこともよくあります。大手キャリアの場合、家族割があるのはそれを想定してのことでしょう。
つまり、長電話のメインは家族です。おじさんの仕事内容によっては、スマホでの長電話が必要になることもあるでしょう。ただ、1ヶ月の間に、長電話が必要な相手は、上司か部下か同僚か、多くても3名以内ではないでしょうか。
第三のポイント データ通信はどれくらい使うか
最後にようやくデータ通信です。スマホを手にしたおじさんは、当初は、WEBサイトをいろいろと見て回ります。YouTubeなんかもアクセスしたりします。Googleマップの便利さに驚きます。これは使える。カーナビとおさらばだ、と。さらにアプリなんかもいくつか子供たちに進められて入れてみます。
で、一ヶ月後。何を使っているでしょうか。たまに使うのが地図アプリ。家族との連絡にLineアプリ。辞書代わりにGoogle検索。ほかに天気予報やニュースをチェックしたりと、そんなところではないでしょうか。これって、人によって違うのですが、私の場合、毎月1ギガバイト以内でした。3ギガあれば、安心の容量でしょう。
おじさんのオススメ 格安SIM会社
このような使い方を想定して、いろいろと探し回った結果、ジャジャーン!発表です。通話重視の中高年のベストチョイスは、OCN モバイル ONEです。
ほかのサービスと違うのが、何と言っても3種類のかけ放題が用意されていることです。まずひとつめは、10分かけ放題サービス。月額850円(税込918円)で、10分以内(1通話あたり)の国内通話が回数無制限で0円です。これだけではありません。
驚異的な差別化を実現しているのが、ふたつめ、トップ3かけ放題。月額850円(税込918円)で、その月の国内通話料上位3番号の通話料が0円になります。凄くないですか、このサービス。電話帳に登録した3名限定なんていうケチなことは言わないのです。
たとえば、今月はドジな部下への電話での指示が多くなり、通算で90分くらいかけてしまった。でも、この通話料はタダになる。ある月は、友人と同窓会の打合せで何時間もかけてしまった。でも、これも、タダ。トップ3までの通話料が無料というのは、フレキシブルで素晴らしいサービスです。その月によって、たくさんかける相手が違っても、対応できるのです。
そして、みっつめのかけ放題は合わせ技、かけ放題ダブル。月額1,300円(税込1,404円)で、10分以内の国内通話が回数無制限で0円に。さらに10分超過分も国内通話料上位3番号の通話料が0円になります。これは、もう迷わずに、かけ放題ダブルを選択すべきでしょう。
さらに、OCNさん、わかっているな、と思うのが、データ通信のコース設定です。通常は1ヶ月単位のプランしかないのですが、ここは1日単位のコースがあるのです。110MB/日コース(約3.3GB/月)900円(税込972円)。1月単位ではなく、1日あたりの容量を定めたのは、素晴らしい着眼点です。月の容量で比較すると、通常の月単位コースよりおトクです。で、110メガでどのくらいの通信ができるか、公式サイトでシミュレーションされているので参考にしてください。きっとおじさんたちは、この容量で満足すると思いますよ。
万一110メガを越えて、速度制限がかかっても翌日にはリセット。使わなかった容量は翌日に繰り越されます。おじさんにとっては、これで必要十分ではないでしょうか。スマホ端末は私がいま使っているXperiaが対応していました。すでに機器代が支払い終わっているので、そのまま使います。公式サイトでシミュレーションできるので、いくらか計算してみましょう。
おお、毎月、約7千円は浮くではないか。これは、もう乗り換えるしかない。
惜しくも次点に甘んじた格安SIM
OCN モバイル ONEが一等賞であることに変わりはないが、もうひとつ、使い方の工夫でかなりお得な格安SIMがあります。それが、LINEモバイルです。ここのサービスは、その名の通り、LINEサービスが使い放題なのです。LINEのほかにも、Twitter、Facebook、Instagramが使い放題のサービスが用意されています。これ、何を意味するかというと、LINEのトークをうまく使えば、通話代の大幅な削減になるということです。しかもOCNと同じく、10分電話かけ放題の通話プランも用意されています。
たとえば、長電話は家族としかしないという中高年であれば、家族とLINEでつながり、LINEトークだけを使えばいいのです。そうすれば、LINEモバイルであれば、いくら話してもタダです。無制限にタダです。毎日1時間、1ヶ月で30時間話しても、LINEトークであれば、通話料が発生しないのです。これ、誤解している人が多いけど、大手キャリアでLINEやLINEトークが原則無料でできるのはWiFi経由の場合のみ。そうでない場合は、大手キャリアのインターネット回線を利用してデータを消費しているので、データ容量の制限にひっかかります。
つまり、通常の電話は10分間以内に収める。そして10分間以上の通話はLINEトークにする。10分間以上話をしたいのは、親しい人であるに違いない。友人や部下などLINE登録できる人とだけLINEトークで長電話をするという決まりにすればいいのです。相手もLINEモバイルにしてもらえば、どっちにとっても負担がないでしょう。
コミュニケーションフリープラン(LINE、Twitter、Facebook、Instagramがデータ消費ゼロなので使い放題)を基本にデータ通信3ギガを選んで、さらに10分電話かけ放題オプションをプラした場合の月額は以下の通り。
音声通話SIM(データ通信3ギガ+SMS+音声通話)月額1,690円+10分電話かけ放題 月額880円=月額2,570円
魅力的な選択肢です。ただ、やはり通話を重視するおじさんとしては、若干の柔軟性にかけるので次点になりました。